top of page
  • Instagram

26SSについての記録

  • 4 日前
  • 読了時間: 3分

26SSのデリバリーが一通り終わった。

このシーズンは、最初から明確なテーマや結論があったわけではない。

むしろ、はっきりさせないまま進めることを前提にしていた。


MIDTHINGSにとっては、2シーズン目のコレクションになる。


新しく何かを加えるというより、

これまで自然に集まってきたものを見直し、

何を残していくのかを選び取るような感覚があった。


ブランドにとって重要なものは、

外から持ち込まれるものではなく、

すでに内側に含まれているものだと思っている。


MIDTHINGSにとっても、

ブランドの輪郭を整えていく過程で、

それは自然と自分自身に近づいていく感覚があった。


何かを演出するというより、

この半年の中で自分が感じていたことや、興味を持っていたことを、

そのまま出していく。


それらをあらためて再考し、拾い上げていく。


陰翳礼讃や、星の王子さま、

そしてClaude Monetのように、

見えないものや、輪郭を持たないまま存在している感覚。


この半年の中で自分が惹かれていたものを辿ると、

結果としてそれらはどれも、MIDTHINGSの持っている感覚と近い位置にあった。


そういったものも含めて、

ブランドの中に自然と残ってきたものを、あらためて扱っている。


制作の中で拾っていたのは、

言葉にしきれないまま残っている感覚や、

説明しようとすると消えてしまうような曖昧な輪郭だった。


たとえば、糸の選び方。

異なる色や風合いの糸を混ぜることで、

結果として滲んだように見える表情が生まれる。


それは染料による効果ではなく、

構造としてそう見えているだけの状態。


どこまでが意図で、どこからが偶然なのか、

境界がはっきりしないまま残っている。


縫製においても同じで、

揃えようと思えば揃えられるものを、あえて揃えきらない。

不揃いな縫い目や、少しずれた切り替えを、

“誤差”として処理せず、そのまま残す。


通常であれば修正される要素を、

どこまで排除せずに成立させられるか。


その判断を繰り返していた。


リネンのセットアップでは、

プリントでありながら織りのように見えることで、

表面と構造の境界が曖昧になる。


カンタ刺繍の古布も、

素材として使うのではなく、一度写真として捉え、

それを別の布に転写している。


物質としての布ではなく、

時間や痕跡だけを抽出して、もう一度布に戻す。


オリジナルと複製の間にある、曖昧な状態をそのまま扱っている。


こうした要素は、どれも強い主張を持つディテールではない。

むしろ、意識して見ようとしなければ通り過ぎてしまうような、弱い情報に近い。


ただ、その“弱さ”の中にしか残らない感覚がある。


はっきりとした意味や役割を与えた瞬間に、

失われてしまうもの。


26SSでは、それを強く見せるのではなく、

消えない程度に残すことを優先している。


結果として出来上がった服は、

完成されていないわけではないが、

意味が固定されていない状態に近い。


店頭に並び、誰かが触れ、選ばれることで、

はじめて具体的な意味や文脈が与えられていく。


そのプロセスを前提として、

最初から余白を残しておく。


これは、

何かを強く提示するためのものではなく、


まだ名前のついていない感覚が、

消えずに残る状態をどうやって服にできるか、


その検証だった。


各社様にてお取り扱いいただいた分は、ありがたいことに在庫が少なくなっている店舗様も多くあります。


現時点で全ての品番をまとめてご覧いただける場は限られていますが、

一部はオフィシャルオンラインストアでも引き続きご覧いただけます。


また、コレクション全体を通して見ていただける機会についても、今後あらためて検討していきたいと考えています。




 
 

最新記事

すべて表示
最近考えている「ファッションにおける本質的なこと、再解釈するということ」

前回のブログから数ヶ月が経ってしまってまたもうちょっと更新したかったな、、、と前回投稿した日付を見て思いました。 ありがたいことに25AWのデビューシーズンの売れ行きは好調で、まだまだ安堵してはいけないですが、ありがたい限りです。26SSのデリバリー前にはアイテムごとだったり全体のコンセプトをこちらでまとめる予定です、、、!必ず! 最近、制作の合間や移動中に、本質って何だろうと考える時間が増えた。

 
 
bottom of page